532試合連続出場中!プロでも40人しかいない鈴木大地のすごさとは

2012年にプロ入りした鈴木大地内野手。
2018年シーズン終了時点で921試合に出場しています。プロ入り1年目の2012年はシーズンの半分以下となる62試合、プロ入り4年目の2015年に1試合出場できず142試合、それ以外の5シーズンは143試合ないし144試合の全試合出場をマークしています

2012年の6月に1軍登録。それから一度も戦列を離れず

大地は2012年開幕一軍を逃しましたが6月に1軍登録。それから一度も怪我や不調による2軍落ちがないのです。
それどころか2013年にスタメンで使われてから1試合以外はすべての試合に出場しています。
その1試合は大地にとって大きな1試合でした

5月20日の西武戦(西武プリンスドーム)。鈴木大地内野手は試合をベンチで見守った。ライオンズの最後の打者・中村を二塁への併殺に打ち取り、勝利すると仲間たちとハイタッチを繰り返した。いつもの光景のようだが、鈴木大地にとっては、そうではなかった。マウンドでのハイタッチの輪にはいない。ベンチ前で仲間たちが帰ってくるのを待っていた。この瞬間、今年の目標の一つだった143試合フル出場が途絶えた。2年連続で続けていた記録は開幕からわずか40試合目、5月の段階で早くも途絶えた。
 「それは個人の記録であり、結果を残していない自分が悪い。それはもちろん、今年に入ってからずっと目標にしてきたことの一つですけど…」
 マスコミなどから問われると気丈にそう答えた。だが、心の中は揺れていた。不甲斐ない自分への怒り。早い段階で個人目標を失ってしまった悔しさ。しかし、それを口にすることも、表情に出すことは絶対にしないと決めていた。チームが勝った。今はそれを心から喜ばないといけない。キャプテンとして気丈に振る舞い、後輩選手などを満面の笑みでねぎらっていた。
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 スタンドに向かってあいさつをしている時だった。ポンと後ろから肩をたたかれた。振り返ると井口資仁内野手がいた。「やるしかない。明日から。また出直しだな!」。大ベテランの一言がうれしかった。自分が目標にしていたことを知っていたこと。そしてそれが途切れたことも理解していたこと。自分の心の内を読み透かしていたこと。抑えていた感情が胸からこみ上げてきそうになるのを必死にこらえた。
 「うれしかったというか、励みになりました。また一から記録をつくって、はるかにしのぐぐらいの数字を出してやろうぐらいの気持ちでいないとダメだと励ましていただいたのだと思いました。そうするしかないし、そうしないといけない。現実をしっかりと受け止めて、糧にして、これをキッカケに成長しないと絶対にダメと決意を新たにしました」
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 一晩かけてゆっくりと心の整理をつけて、また気持ちを入れ直した。翌21日の西武戦では代打で出場をすると、2打席目で中前打。一から出直すという思いで、ポジションを奪い返すという強い心意気でコツコツと結果を出すことを意識した。
 「2年連続で144試合にフル出場したという過去は、誇りと自信にはしたいと思っています。そしてそれが途切れた以上は、ここから再スタート。新しい一歩から、もっともっと先に突き進んで行こうと思うんです。同じような失敗をしないように、悔しさを忘れないように、一歩ずつまた地道に積み重ねていきます」
 肩を落とすことが多かった2015年の序盤。打てない日々、期待に応えられないことは鈴木の心を強く痛め続けた。チャンスで打てずにチームが敗れ、遠征先のホテルの自室で涙したこともあった。ただ、悔しさ、つらさを忘れずにバットを振り続けることで、鈴木大地はなにか本来の自分のスタイルを取り戻しつつあるように見える。つらいこととうれしいことは表裏一体。うれしい出来事ではなくて、悔しい思いこそが人を大きくする。背番号「7」は悶々とした日々を過ごす中で、何かをつかみ、成長をしている。キャプテンの逆襲が始まる。

【千葉魂】 鈴木大地、一からの出直し フル出場途切れ強い決意

上記の試合以来すべての試合に出続けている

試合に出場することを常に目標としている大地。デッドボールを受けて痛みが強くても試合に出続ける

「別に誰もが注目をしているような凄い記録なわけではない。ぼくの個人的な目標に過ぎないその事を知ってくれていて、あの状況の中で声をかけてくれたことが本当に嬉しかった」

それからまた連続試合に向けた全力の日々が始まった。こんなこともあった。ある試合で、井口は死球を受けた。ベンチに戻った際に状態を確認すると「大丈夫だよ」と爽やかな笑顔でニコリと笑ってくれた。あまりにも涼し気な表情にその言葉を鵜呑みにしていた。後日、ロッカーで着替えをする井口を見て驚いた。ボールを受けた場所は真っ青に腫れあがり、大きなアザができていた。痛みに堪え、何事もなかったように振る舞い、そして結果を出していたのだ。

「プロの世界で生きることの意味と厳しさを教えてもらいました。あれからぼくよりも若い選手がたくさんマリーンズに入ってきて、自分が引っ張らないといけない立場になったけど、いつも井口さんに教えてもらったことやその背中から感じたことを伝えられるようにと思っています」

【6の背中】千葉ロッテ・鈴木大地編

シーズン最多死球18個を受けても全試合出続け、腫れて痛みが出ていても次の試合には出場しています。連続試合出場が途切れてから532試合、すべてに出場しているのです

532試合連続試合出場中は現役4位の記録

現役1位は西武の秋山選手の682試合。大地はホークスの松田選手、広島の田中選手に続く現役4位。532試合連続試合出場は日本プロ野球としても41位の記録となります。
球団記録は愛甲選手の694試合。2019年シーズン全試合出場しても届かないものの来年には達成される数字です。

毎試合出ること、1軍にいること、安定した成績を残すことはたやすいことではない

大地の通算打率は.271、毎年安定した成績を残しています。
怪我もせず1軍にいるまさに計算できる選手です。毎試合試合に出ることはたやすいことではなくすごいことなのです。
2019年シーズン、目標は全試合出場。4年連続6回目の全試合出場を果たすべく鈴木大地は今日もグラウンドに立ち続けます

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