国内FA権を行使して楽天に移籍した鈴木大地内野手(30)が、スポニチ本紙の新春インタビューの最終回に応じた。

7年ぶりにリーグ優勝&日本一に導く決意を語る

“そら”と“だいち”でちょうど良いコンビ

――あけましておめでとうございます。例年とは少し違う心境で新年を迎えたのでは。
 「今年もよろしくお願いします。今年から新しい挑戦が始まるので、もう気持ちのシフトチェンジはできています」

 ――昨年11月に国内FA権を行使し楽天に移籍した。
 「人生で一番悩みました。昔は、なんでこの選手は移籍するのだろう?と思っていた時期もありました。けど、移籍を経験した人が“当事者にしか分からない悩みがある”と言っていて、本当にその通りで。交渉の内容や自分の思いを全てファンの皆さんにお伝えできないこともあって。苦しかったけど、自分で決めた道。運命だと思っています」

 ――昨季は内野の全ポジションに加えて外野も守った。
 「FA権を行使したことで、いろいろな臆測が飛んでいたことは知っていました。ポジションや起用法が移籍の理由だと。でも、それは違います。まさか左翼を守る日が来るとは思っていませんでしたけど(笑い)。でも、誰もができることではない。やったことないポジションでも、試合に出たらミスはできない。そういう意味で凄く良い経験をさせてもらいましたね」

 ――期待と同じぐらい重圧も大きい。
 「アサ(浅村)とはプライベートでも仲良しですが、あれだけ凄い選手なのに移籍1年目はシーズン中にめちゃくちゃ苦しんでいた。結果が出なければ、間違いなく厳しい目にさらされる。そこは覚悟していますし、その壁を越えれば大きな達成感が待っていると信じています」

 ――「ロッテの顔」だった存在が移籍という道を選んだ理由は?
 「石井一久GMからプレーだけでない部分も評価していただけた。練習中の行動も含めて。“歴史が浅い球団だからこそ、新しい伝統を一緒につくっていってほしい”という言葉が凄く心に刺さりました。環境が変わることで、家族のケアや生活面のことについてもGMは自分のことのように気に掛けてくださった。この人のために頑張りたいという気持ちになりました」

 ――楽天とロッテは昨季、CS出場を懸けて終盤までデッドヒートを繰り広げた。ライバルチームにどんな印象を抱いていたか。
 「よくやられた印象が残っていますね(笑い)。僕が1軍に定着した13年の印象は強烈でした。田中将大さんがいて、打線にはジョーンズ、マギーがいて。CSファイナルSで仙台で見事に負けました。今のチームも個々の能力が高い選手がたくさんいる。個人的に交流のある選手が多いので、同じチームでやれるのは心強いです」

 ――楽天の選手とは連絡を取っているか。
 「連絡をもらったり、こちらからさせていただいた選手はたくさんいます。12月の選手会総会でノリ(則本昂)と会った時は、笑いながら“来たね”って声を掛けてもらった。入団会見のタイミングで岸さんともお会いして。同学年の(岡島)豪郎、高校(桐蔭学園)の後輩の茂木や田中和基からも連絡をもらいました」

 ――新天地で一番楽しみにしていること。
 「岸さんとノリは素晴らしい投手。いつも対戦する時はワクワクしていた。これからは後ろで守ることになる。背中越しに投球を見ることができるのはチームメートの特権なので。あとは、楽天生命パークは好きな球場。いつもお客さんが満員で、ファンの皆さんが温かくチームを応援しているなと感じていました。早く楽天のユニホームを着て仙台で野球をやりたい」

 ――ロッテでは「大地」と呼ばれたが。
 「楽天には鈴木翔天(そら)君がいますよね。鈴木だとかぶってしまうので“大地”と呼んでもらえれば。“そら”と“だいち”でちょうど良いコンビですね(笑い)。プレーはもちろん、ファンサービスも積極的に参加させてもらい、一日でも早くファンの皆さんに受け入れてもらえるように頑張ります」

 ――東北地方には11年の東日本大震災で被災して苦しんでいる人がまだ多くいる。
 「13年の楽天の優勝と日本一は多くの方々に夢や希望を与える出来事だったはずです。やっぱり勝つこと、優勝することは、多くの人の心を動かすと思います。昨年の台風19号では、宮城県丸森町や千葉など広範囲で甚大な被害が出ました。野球を通じて元気を届ける。それが僕たち野球選手にとっても大きなモチベーションになるので。打ったり投げるだけが野球ではないので、常に全力プレーを皆さんに届けます」

 ≪サードが基本もチームにオプションを増やす万能性≫石井一久GMは鈴木大について「基本的にはサードをやってもらいたい」と説明する。ただ、内野の全ポジションを守れるだけに、状況によっては三塁以外を守ることでチームに新たなオプションをもたらしそうだ。状況に応じた打撃もでき、三木新監督が掲げる「考える野球」にも対応できる。鈴木大は「三塁で勝負したい気持ちはあるけど、ポジションが与えられるわけではない。常にどこでもできる準備はしておく」と話した。

 【取材後記】年末、ずいぶん前に録画していたニュース番組の映像を鈴木大と一緒に見返した。13年6月に放送された「報道ステーション」(テレビ朝日系列)のスポーツコーナーの特集だ。当時は2年目。1軍のレギュラーに定着したばかりで期待の若手遊撃手として特集されていた。「うわ~、懐かしいっすね。この打席覚えてます!この守備の打球も!」と食い入るように自身の映像を見つめていた。
 この特集では、二塁や三塁も守れる万能性もクローズアップされていた。「そういえば、あの頃もそうでしたね」と大地。特集のVTRの最後は「チームの中心になっていければ」という言葉で締めくくっていたが、宣言通り「ロッテの顔」になった。真面目で実直な性格は、初めて会った12年秋と全く変わっていない。
 今年のテーマを書き初めにしてもらった。「東北を元気に」。きっとこの言葉を有言実行で具現化してくれるはずだ。

新天地楽天へ!鈴木大地、決意の書き初め「東北を元気に」 石井GMと「新しい伝統を一緒につくる」

大地の言葉がすべて

FAについていろいろな報道やファン?のコメントがありましたが、
すべて憶測、妄想、ただの戯言にすぎませんでした。

それでもインタビューやファンイベントで真実が語られることもありました。
「交渉の内容や自分の思いを全てファンの皆さんにお伝えできないこともあって」
これがすべてでしょうね。

そして、すでに新しい道に進んでいます。
年も明けましたし、未来を語るべき。

  • ロッテファンです。大地選手の選んだ道なので頑張って欲しい思い
  • 三木監督が今季キャプテンを置かないと言った真意は鈴木にマウンド行って声を掛けたり練習中でのムードメーカーに遠慮せずなって欲しいという事なんだよ銀次がキャプテンという肩書持ってたら遠慮しちゃうでしょ
  • FAで来たからって、変に重圧を感じることなんかないし大地は大地らしく頑張ってくれればそれでいいよ。ウィーラーの近年の結果やうっちーがなかなか上がらないことを考えたら、楽天ではサード中心になるでしょう。高いキャプテンシーや素晴らしい人間性があることももう分かりきってる。東北の大地で大きく羽ばたいてほしい。
  • 期待しかない。頑張れ、大地!

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